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モンスーンとは
まだ帆船で輸送をしていた時代に生まれたのがこのモンスーン。今ではインドのコーヒーの有名な銘柄です。
18、19世紀ごろのこと。インドで栽培されたコーヒーをヨーロッパまで届けるには、アラビア半島沖から喜望峰を周って、赤道直下を2度も経由しるルートを辿っていました。半年もの時間をかけて運ばれたコーヒーは湿気で緑のはずが黄金色に変わっていたそうです。台無しだと嘆きながら飲んでみると、とても美味しかったため愛好家の中で一躍人気となったのです。
モンスーンの産地
現代では輸送するための航海に時間が掛からなくなり、経路も整ったことでその現象が起きることはなくなってしまったのですが、研究の結果モンスーンの風を利用して再現することが出来るようになりました。
乾燥させたコーヒー豆を袋に詰め、風通しの良い倉庫に列を作りながら広げてモンスーンがまんべんなく通り抜けられるようにします。時々袋を入れ替えたり、詰め替えたりしながら7週間ほど乾燥させると、黄金色に変わり独特の香りのモンスーンになるのです。
モンスーンの味覚とコク
酸味がほとんどなく、重厚な苦みと熟成された深いコクが特長です。独特の香ばしさが感じられ、微かに残る甘味が後口に残ります。
大豆やきな粉のような香ばしさがあり、キレと苦みが楽しめます。
モンスーンの生豆色
黄金と言われているように、少し白っぽい黄色をしています。
モンスーンの豆質
大きく膨らんだ大粒の生豆は、通常であれば10~12%の水分量のところ、18~20%にまで上昇します。粒ぞろいもよく、煎るとよく膨らみます。
お湯を注ぐと他の豆よりも落ちるのが早いのも特徴です。そういったところにも注目してみるとまた楽しみ方が増えますね。
モンスーンの香り
カカオのような濃厚な香りと、他にはないモンスーン特有の香りが漂います。クセが少なく、少しスモーキーな香りが引き立ちます。
モンスーンの焙煎方法
苦みを活かした味わいにするために深めに煎ることが多いようです。あえて浅く煎っても、チョコレートのような甘く香ばしい風味を存分に楽しむことができます。
香りを活かすときには浅く煎ることが多いですが、モンスーンは深めに煎っても香ばしい香りが活き、個性的な苦みが楽しめます。
モンスーンの品質
インドのコーヒーの等級はプランテーションA、プランテーションB、プランテーションP.B、それ以下と決められています。
モンスーンはスクリーンの大きさや欠点豆の割合などでランクがつけられていることもあります。
モンスーンの価格
100g600円程度から購入できます。5~6月の風を活かした製法で作っているため希少価値が高く、見つけたらぜひ飲んでいただきたいコーヒーです。
モンスーンの入れ方
水出しで抽出すると、深いコクと苦みが感じられ、ほのかな甘みが口の中に広がります。
ドリップの仕方で大きく味が変化してしまうのが特徴でもあり長所でもあるのでぜひ色々な方法で味わってみてください。
焙煎してから数日寝かせておくとまた違った味わいになり、味もマイルドになっていきます。より香りが引き立ち、新たな発見があるかもしれません。購入したら日にちを開けて飲んでみるのがオススメですよ。