コーヒーの歴史と製法

コーヒー世界の“新語”解説 【後編】

最近よく聞くのに、知っているようで意外と知らない、あいまいだったコーヒー“新語”解説の後編。前編では、「スペシャルティコーヒー」「カップ・オブ・エクセレンス」を解説しましたので、ぜひお読みください。こちら後編では「サードウェーブ」「シングルオリジンコーヒー」を解説します。

サードウェーブ

「サードウェーブ」とは、直訳すると「第3の波」となります。これは、アメリカのコーヒー業界にやってきた第三次ムーブメントのことです。

一つめの波(ファーストウェーブ)は1970年ごろまでの大量生産・消費ムーブメント、二つめの波(セカンドウェーブ)は品質を重要視する「シアトル系カフェ」全盛のムーブメントでる。これらに次いで、1990年代後半から起こったのがサードウェーブとなります。その内容は、エスプレッソベースのドリンクや、カップやマイボトルでテイクアウトするドリンクを楽しむ流れから、“昔ながらのハンドドリップ”への回帰、というムーブメントが中心となります。また、豆の個性を殺さないように焙煎を「浅煎り」にすることも重要視されています。

この状況を日本に当てはめてみると、昭和時代の喫茶店や珈琲専門店ブームを経て、ドトールコーヒーやスターバックス、タリーズなどのセルフ方式のカフェの興隆があり、ブルーボトルコーヒーの上陸……と、見事にシンクロしていることがわかります。

また、こうした流れから“サードウェーブ系男子”という俗語も生まれています。ブルーボトルコーヒーに並ぶようなこぎれいなファッションの男性、流行に流されないオーガニックな暮らしを好む男性をこのように呼ぶようです。高度経済成長期の大量消費の時代を経て、いいもの、地球や人にやさしいものを大事にするようになった現代の価値観にもぴったりと合っています。

シングルオリジンコーヒー

シングルオリジンコーヒーとは、単一農園でつくられた豆だけを使うコーヒーのことです。また、単一農園でつくられただけでなく、ほかの豆と混ぜないことも重要なポイント。さらに、栽培品種や収穫時期、生産処理方法など、豆の生産過程の細部までこだわり、その豆の個性を最大限に味わえる入れ方を探求するスタイルです。

シングルオリジンコーヒーの分野では、三軒茶屋『NOZY COFFEE(ノージーコーヒー)』がの先駆けとされており、サイト(http://www.nozycoffee.jp/)では、

「コーヒー豆の生産国、生産地域、生産処理方法が明確で、それらが一切ブレンドされていないコーヒー豆のこと」

を、シングルオリジンコーヒーを定義しています。シングルオリジンコーヒーの魅力は、誰がどのように生産したのかがよくわかること、また別の産地のものを混ぜないため、豆の個性をダイレクトに味わえることです。ツウレベルになれば、「あの農園のコーヒーがそろそろ飲める季節かな?」などと、収穫時期を楽しみに待るようになるそうです。コーヒーも農産物である以上、収穫やその年ごとの出来栄えを待つ楽しみもあるというわけです。

さて、ノージーコーヒーは豆の販売を行うほか、店舗でコーヒーをいただくこともできます。抽出方法は、コーヒー豆に含まれるオイルまで楽しめる「フレンチプレス」。店主催のワークショップもたびたび開催され、盛況となっているとのこと。シングルオリジンコーヒー最前線を感じるために、参加してみてはいかがでしょうか?

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