コーヒーの歴史と製法

ところ変われば、呼び名も変わる。コーヒー表記あれこれ

    コーヒーを漢字で書くと「珈琲」。明治初期に「口へんに加+口へんに非」の漢字が使われたことがありますが、現在は「珈琲」とつづるのが一般的です。ということで、本稿はコーヒーの呼び名のお話です。

    日本における“コーヒー”の表記

    コーヒーが伝来した江戸時代、学者たちは「珈琲」のほかに、「可否」「架非」「加非」などの字を巧みに当てはめてきました。

    コーヒーの漢字をめぐる問題について考えるとき、版画家の奥山儀八郎氏抜きにはいきません。奥山氏はコーヒー研究家としても知られていました。日本ではじめてコーヒーがもたらされた長崎に赴いた際、古い文献から、「コーヒー」に当てた漢字を発掘し、版木に残しています。それがかの有名な「かぅひい異名熟字一覧」。

    筆者は、杉並区阿佐ヶ谷の『可否茶館』というレトロな喫茶店に、この版木のレプリカが掲出されていたのを覚えています。昭和の喫茶店には、店主の趣味でインテリアとしてこういうものを飾るのが流行したのでしょう。

    ちなみに、「かぅひい異名熟字一覧」によると、漢字で「珈琲」のほか

    波无(ばん)
    保宇(ぼう)
    比由无那阿(びゆんなあ)
    比由无古於(びゆんこお)
    比由爾宇(びゆにう)
    古闘比為豆(こっひいぼーん)

    など、六十数種もの当て字があったようです。びゆんなあ、びゆんこうになると「コーヒー」とは似ても似つかない言葉になっていますが、きっと深い由来や来歴があるのでしょう。

    諸外国における“コーヒー”の表記

    コーヒーという言葉は、アラビア語の「カーフア」という言葉がおおもとといわれています。コーヒーが伝播した世界の国々ではコーヒーのことを次のように呼びます。
    ※表示の都合によりアクサンテギュは省略しました。

    トルコ kahve カフヴェ

    ギリシア Kafeo カフェオ

    ポーランド kawa カヴァ

    スウェーデン kaffe カフェー

    デンマーク kaffe カフェー

    ハンガリー kave カーヴェ

    フィンランド kahvi カーヴィ

    ロシア kophe コーフェー

    オランダ koffie コーフィー

    ドイツ kaffee カフェー

    イギリス coffee コフィ―

    ラテン諸国 coffea コフィア

    イタリア caffe カフェ

    フランス cafe カフェ

    スペイン cafe カフェ

    ポルトガル cafe カフェ

    ところで、コーヒー発見について、「アラビア説」と「エチオピア説」があるのをご存じですか? それぞれの伝説に基づいて「コーヒー」の語源についても2説あるのが興味深いところです。

    *アラビア説……アラビアの国々では飲酒はご法度。酒に代わる新しい飲み物としてコーヒーを葡萄酒の名前「カーフワ」と呼んだのがはじまりとする。
    *エチオピア説……エチオピア南部にある同国最大のコーヒー産地「カファ(Kaffa)」という地名がなまったとする説。

    まとめ

    アラビア生まれの飲み物「カーフワ」は、16世紀初頭から中期にかけて、イスラム圏内で迎え入れられた。トルコ経由でヨーロッパに上陸し、それぞれの国で独自のコーヒー・カフェカルチャーを生み、同時にお国のなまりを取り入れながらさまざまな呼び名を得ていきました。

    そんなことに思いをはせながらのコーヒータイムも、たまにはいいものですよ!

    カフェコーヒー  カフェコーヒー

    カフェオーナー講座ランキング

    カフェピックアップ記事

    1. 銀座カフェ
    PAGE TOP