コーヒーの歴史と製法

星乃珈琲店の元祖ドトールコーヒーの4つのおすすめポイント

首都圏を中心に低価格のコーヒーショップチェーンを展開する「ドトールコーヒー」。カウンターで注文して商品を自分で席まで運ぶ「セルフ方式」なのに、クラシックなスタイルのコーヒーカップ&ソーサーは昔ながらの喫茶店の風情を感じさせます。ドトールコーヒーの堅調はもちろんのこととして、最近は「星乃珈琲店(ほしのコーヒーてん)」という新業態が好調です。

ドトールコーヒーの創業者・鳥羽博道

ドトールコーヒーの創業者の鳥羽博道(とば・ひろみち)氏は、1937年埼玉県深谷市生まれ。高校生のころにささいなことから父親と衝突して上京し、飲食店で働きはじめたのが飲食の世界への第一歩でした。

それから1958年、20歳のとき単身ブラジルに渡り、コーヒー農園で3年働いて帰国します。人脈も経営能力もまだまだ未熟な状態で、コーヒーの焙煎・卸売りを行う「有限会社ドトールコーヒー」を設立。これが現在のドトールの前身となるわけです。後発の零細企業のため門前払いされたり代金回収にてこずったりで、なかなか軌道に乗らなかったといいますが、「潰れる、潰れると思うから心が委縮して何もできないのだ。明日潰れてもいい、今日一日、体の続く限り全力で働こう」と体力の続く限り商売に打ち込んだということ。

ドトールコーヒーの最初の業態はカフェコロラド

当時の喫茶店といえば、いまのように明るく楽しくおしゃべりを楽しむようなところではなく、退廃的で不健康なイメージのところが多かったといいます。たしかに、「喫茶店は不良のたまり場」のようにいわれた時代もありました。

そこで、博道氏が思いついたのが「カフェ コロラド」。「健康的で明るく、老若男女ともに楽しめる」をコンセプトとして打ち出しました。1号店は神奈川県川崎、2号店は東京都世田谷の三軒茶屋にオープン。時代のニーズにマッチし、1号店オープンから10年で280店舗にも増えたとのこと。ドトールの公式サイトによると、2016年3月現在、東京都内には33店舗あるようです。ドトールコーヒーが都市部に多いのと対象に、カフェコロラドは郊外に多いのが特徴です。ちなみに、サービスのスタイルは、いまでも従業員が客席で注文を受け飲み物も席まで運ぶ「フルサービス」。昔ながらの喫茶店や珈琲専門店といった内装やメニュー構成も含めて、「いまどきのカフェにはない落ち着き感がある」と根強い人気があります。しかし、ドトールコーヒーよりカフェ コロラドのほうが歴史があるなんて意外ですね。

ドトールコーヒーの誕生は1980年

ドトールコーヒーができたのは、1980年。1号店は東京の原宿駅前。コーヒーは嗜好品から日常の中のさまざまなシーンで誰もが飲む必需品になっていましたが、世は第二次オイルショック。これにより景気は低迷し、会社員の可処分所得は減少。そうした事態に対応して、立ち飲み中心のセルフサービス方式で、コーヒーは1杯150円というリーズナブルな価格を実現させました。これが日本の喫茶業界に大きな波紋を呼びました。

ドトールコーヒーの創業理念

博道氏は、『ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記』という著書の中で、同様の業態が衰退する中で成長を続けられたことについて、

「セルフ形態のコーヒーショップが順調に店舗数を増やしてきている。(略)値段を上げつづけるばかりで支払った金額に対する価値を高める努力を怠ってきた喫茶店、コーヒー豆の卸だけを専門としてきた企業は年々衰退していくばかりだ。ピーク時には17万軒あった喫茶店が今では7、8万軒と、ほぼ半減した状態になっている。(略)要はその段階になってあわてても後の祭りということだ。先回りをして心配するのはたしかに疲れることではある。だが、まさに喫茶店全盛の時代に危機意識を抱いたことがドトールコーヒーの成長の要因のひとつになっているのかと思う。」

と分析しています。この「一杯のおいしいコーヒーを通じて、お客さまに安らぎと活力を 提供する」という立派な理念は、2代目社長に経営が引き継がれた今も確かに継承されています。

※創業物語だがビジネス書、生き方の書としてもすばらしい良書である。

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